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「お前、運転中に動揺させるなよ…ハアー…」
「…すみません」
ハンドルに頭を擡げ、課長はもう一度長く息を吐く。
「今、それ聞くかぁ…」
課長はハンドルに額を置いたまま苦笑い。
私だって、どうして今、そんなことを聞いたのか解らない。
だけど、無性に知りたくなったのだ。
「課長、あの…」
「なあ…俺は狡いからさ、弱ってるお前に付け込むことなるけど、いいのか?」
「は、はい?」
ズルいって…付け込むって…
話す前からそんな前置きをされても困る。
「フッ…そんなこと言われても困るか…」
私の戸惑いを悟った課長が鼻で笑う。
「とりあえず、昼飯を食おう。そこでゆっくり話すよ」
「わかりました」
そして、私達は車を停め、近くのカフェで食事をすることになった。
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