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二人で日替わりのパスタランチを何事もなかったかのように普段通りに食べる。
話す内容は仕事のことばかり。
岸谷の事には全く触れずに。
最後にデザートとコーヒーが運ばれてきた。
デザートは、私の大好きなガトーショコラ。
一口食べるとほろ苦い甘味としっとりした食感に思わず顔が綻ぶ。
やっぱりスイーツはテンションが上がる。
「クスッ…お前は、ホントに甘いのが好きだな」
「課長は甘いのは苦手ですもんね」
「まあな。ほら、俺の分も食え」
「え?いいんですか?」
「いいよ。腹に入るならな」
「デザートは別腹ですから!」
「さすがだな。ハハハ」
食い意地の張った私を笑って、課長はコーヒーを口へと運んだ。
私はガトーショコラを頬張って、満足の笑み。
すると、課長が優しい視線を向ける。
「お前にはそうやって笑ってて欲しい」
課長の発言にドキッとする。
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