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そんな私の状態を目の前にいる人は見逃すはずがなく
「お前、ホントにどうした?大丈夫なのか?」
私の顔を訝しげに凝視する。
「あの……あの……」
本題を切り出そうとしても、なかなか言葉が出てこない。
言わなくちゃ…
言わなくちゃ!
「ひょっとして、病気悪いのか?」
「え?」
「それで今日、話があるって言ったんじゃないのか?重い病気とかじゃないのか?」
本当に心配そうに問い質す課長。
苦しい…
こんなにも私を思いやってくれる人に、私は今から何を言おうとしてるのか。
だけど、だからこそ、言わなくちゃ。
「遠慮するな。正直に言え!」
「ち、違うんです…!」
膝の上に置いていた手で、ぎゅっとスカートを握る。
「違うんです……私、病気じゃ…ないんです」
「は?」
眉を顰める課長。
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