夏は、セミの声。

11/13
1054人が本棚に入れています
本棚に追加
/551ページ
「お前もとっくに俺たちに欠かせない存在だよ」 ふふ、と先輩が笑う。 「そんなことにも気付かねぇなんて相変わらず詩はどんくせーなー」 半分になったアイスを私の口許に持ってくる。 「はい、半分こ。 お前、自分の分買ってねーだろ。 ……つかもう半分食っちゃったんだけど」 先輩もあの人の真似なのか、頬に手を添えてペロッと舌を横に出して笑った。 私以上に壮絶に似てないのに、なんだかおかしくて。 笑いすぎて涙が滲む。
/551ページ

最初のコメントを投稿しよう!