第九章 二人目の転入生

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こちらをゾッとさせるような真顔でそう言い放った王道は、手際よく俺の傷の手当てを終えると走り去っていった。 「、つつ……」 いつまでも尻餅ついているのも情けなかったので立ち上がった。 全身が痛んだ。 悔しかった。 一人の男として敗北したことが純粋に悔しかった。 深く考えずに友達のためにここまで来て、何もできずボコられていたことがめちゃくちゃ情けなくて悔しかった。 痛いし悔しいし泣きたい気持ちだった!! 「くそっ、帰ってアキちゃんのご飯食って寝る!!!」 痛む体を引きずって帰宅。 ……… 「ただいま!」 「おう…ってお前それどうした?!」 「ボコられた。悲しいから肉じゃが作ってアキちゃん!」 「…後でちゃんと話せよ」 そう言って本当に肉じゃがを作ってくれるアキちゃんは120%いい人だった。 アキちゃんの手料理で回復したら筋トレする。 今日からまた鍛える。 次はあのやおいモブたちに勝ーつ!! ……… 事の次第をアキちゃんに話した。 アキちゃんなら話しても問題ないと思ったからだ。 「それで、お前は何がしたいんだ?」 ううん、なるほど…なるほど…
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