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「まだ小さくても男ねー贈り物から攻めるなんて、パウルの将来が楽しみだわ」
口元を隠しくすくすと笑うシルヴィアに、男2人は苦笑いを見せる。
「嬉しい……お礼を言いたいわ。明日、パウルを訪ねてもいいでしょうか?」
明日になれば体調も回復するだろうと、まだ隣に寄り添ったままの陛下を見上げると、ため息を吐き首を横に振った。
「だめだ……姫君はしばらくの間、城から出ることは出来ない」
「……なぜですか?体調も明日になれば回復しています」
「許可も得ず街へと下り、宿屋を破壊し街中を混乱に陥れた。3日経った今でも、国中が姫君の噂をしている……彫刻の姫君は、この国を壊しに来たのだと言われている。しばらくは大人しく静養するといい」
……何も言えないわ。すべて事実だもの。
でも、パウルに会えたら、カーヤが傍にいない寂しさが和らぐかと思ったけど……だめね、人に頼るようじゃ。一人でも頑張らないと。
「わかりました……大人しくしています」
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