第1章

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夕方、駅のホーム ギターの音と少し高めの綺麗な声 いつも同じ時間に歌を歌ってる君 1ヶ月くらい前から毎日ここで歌ってる 最初は気にならなかったけど… いつからだろう? 君の歌を聴くようになったのは 俺は電車通学だからほぼ毎日このホームを通る 君は毎日、夕方の決まった時間に制服姿で現れる 興味本位で聴いてたけど、気付けば君の歌に魅了され、 いわゆる『ファン』ってやつ? でも、近くで君の歌を聴く勇気がなくて… ちょうど死角になる柱の影のベンチで聴いてる 変人だな…俺 今日も君を待ってる俺がいる でも、今日の君はいつもと様子が違った マスクをして喉を鳴らしていた この日の歌声は いつもより少し低く、擦れていた 「喉、調子悪いのかな?」 歌を早めに切り上げると、君はホームの階段を下って行ってしまった 「・・・」 俺はその日、コンビニに寄って帰った
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