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次の日
いつもより早い時間にホームに着いた
君がいつも歌っている場所
まだ、君は来ていない
「気付くかな?」
その場所に昨日買ったのど飴を置いて柱裏のベンチに座る
「何やってんだ…俺」
…ん?
待て待て、冷静に考えろ
誰が置いたかわからない飴を食べるか?
食わねぇよな
気味悪いし
「取り戻しに…っ!?」
急いでベンチから立ち上がると、俺が置いた飴をジィーッと見つめる君の姿が
「やべっ!」
とっさに柱に隠れる
遅かった…
うわー、どうする?
「あー、くそっ」
置かなきゃよかった
けど、もしかしたら無視するかもしれない
誰が置いたか分かんないんだし、手ぇ付けないかも…
飴に手を付けてない事を願い、柱裏から様子を確認する
「…っ!?」
柱裏から顔を出したら、ちょうど君と目が合った
うわ、最悪だ
タイミング悪ッ
とっさに柱に隠れるとクスッと小さな笑い声が聞こえた気がした
それとほぼ同時に5時を知らせる鐘が鳴る
──リリーン、リリーン──
小さな笑い声は余韻を残すことなく鐘の音に飲み込まれた
カタッ
君がギターケースを開ける音がした
茜色のホーム
5時ちょうどに君は音を奏でる
♪~♪~♪~
視界の片隅に写ったアナタ
気付けば、
いつの間にか目で追い掛けていた
茜色ホーム
初めてアナタを見たとき
少しダルそうなその横顔に
ため息を吐いたその横顔に
恋をした
この想いを歌に乗せて
アナタの元へ
届いたら伝えるの
2文字の愛言葉
アナタが
“好き”
♪~♪~♪~
いつも聴いてる曲と違う曲
初めて聴いた
ギターの余韻がなくなるとホームはいつものように雑音が入り混ざる
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