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「村上さん。それだけ?」
見惚れるような素敵な表情で、彼が催促する。
「……答えなんて、訊く必要はないでしょう?」
眉をしかめて彼を睨み上げると、なぜか嬉しそうに彼は笑った。
「あなたが俺のことを考えてるときの顔が、好きなんです」
今は、ただのしかめっ面で。
唇だってきっと不機嫌に尖っている。
「趣味が悪いと思う」
「俺は、そうは思いません」
益々眉間の皺を深くした僕に、彼はそっと触れるだけのキスをした。
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