第1章

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~プロローグ~ 「さっきの写真、見てていい?」 そう言ってかしてもらったケータイ。 ひとつスライドさせると、そこにはわたしじゃない女の人が彼と一緒にいる。 なんで…? つい三日前の私とのデート写真よりも新しいそれを、信じられない思いで見つめてしまった。 夜景のうつる展望台。 私とは明るい時間に行った。 私はあわててメールのチェックをした。 「野咲 春香」 私とのメールよりはるかに履歴の多いその名前に愕然とする。 開いたメールには“展望台デート楽しかったよ!またつれてって!” 止めを刺されたような文面に、確認するのも怖くなって逃げるように帰った。 その後、彼に言われた言葉。 “ごめん。俺、他に好きな子いるから、別れて!!” (野咲春香でしょっ!) そう言うことも出来ず、去っていく背中を呆然と眺めた。 …身勝手だ。 勝手すぎる。 そっちから付き合っといて浮気して、脈ありだから私はポイッ!? 私はあんたのオモチャじゃない!! 大っ嫌い。アイツが。アイツの彼女が。男が。 もう、信じる 何てバカなこと、絶対にしない ―そう、心に決めた
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