1827人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
綺麗だね。美人だね。可愛いね。付き合って。
そう言われたことは、何度もある。
けれど、プロポーズを受けたのは、初めてだ。
手元に滑り込んできたのは、誰もが知る高級ブランドの箱。
彼に促されて、そっと開くとそこにはキラキラ輝くダイヤモンドの指輪があった。
「両親も、君なら申し分のない相手だと認めてくれるはずだ。それに何より……僕たちは、似た者同士だから」
微笑む高科は“御園家の私”にとって、申し分のない男だ。
私の未来予想図に寸分違わない男。
家柄も育ちも似ている。
だからこそ、彼はこうして微笑むのだろう。
「僕ら、うまくやっていけるよ、きっと。だから……僕と結婚してください」
.
最初のコメントを投稿しよう!