《10》

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  「そっか。僕たち、似た者同士だね」 「……ええ」 頷くと、胸の奥にちくりと刺が刺さったような気がした。 本当はそうじゃない、とでも言うかのように。 「だけど、不幸だとは思わない。僕は、僕に与えられた役目を果たすよ」 そう言った高科は、グラスを空にした。 そして私に向き直り、小さな箱を差し出してくる。 「京香さん」 「はい?」 「結婚しよう」 「っ……」 .
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