暗雲

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15年ほど前のことだ、用事があったので実家に電話をした。 ルルル. ルルル. ルルル. ル... ガチャッ.. 「はい、榊原ですが…」 「あ、お母さん。私だよ!」 「はいっ、どなた様でしょうか?」 「えっ、何を言ってんのよ、私だよ~晴輝、晴輝だよ!」 「はぁ…、何かの間違いじゃないですか?」 「ふざけないでよ!娘の晴輝だってばぁ~、お姉ちゃんの方だよ、判んないの?」 「ウチには、そんな名前の娘は居ませんよ、何かの間違いです!」 「非道い、何を滅茶苦茶なこと言ってんのよ!じゃあ、妹の夏輝(ナツキ)も娘じゃないって言うのね!!」 「何をおっしゃってるのか分かりませんが…」 「お話になんない、じゃあ、お父さんに電話を代わってよ!」 「知らない方に電話は取り次げません。」 「本気なの!?」 「もう良いですか?電話をきりますよ…」 「あぁ、もう結構です!!」 ガチャリ… 何が起きたのかわからない。 まさかの出来事に遭遇し、しばし呆然とする私だった。
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