第15章

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車が空いていたって事もあってあっという間に私の家の前。 恥ずかしさもあって何となくきごちない。 けど、 もう帰らなきゃいけない。 またしばらくはゆっくり会えないんだから、ちゃんと普通にしなきゃ。 「今日はありがとうございました。それにわざわざ家まで送ってもらっちゃって」 「いや、こっちこそ急な誘いでごめんね」 「………」 「………」 明日も仕事。 北沢さんまた明日も忙しいはず。 早く帰らなきゃ…って思うのに少しでも長く一緒にいたい。 でも我儘は… 「しばらくは忙しいんですよね?」 「まぁそうだね」 「体調崩さないように気を付けてくださいね」 「うん」 「………」 「………」 「………じゃ、おやすみなさい」 そう言ってドアに手を伸ばす。 あれ? ドアに鍵かかってる? 「北沢さん、鍵…」 と言いながら振り返ると──── 目の前に北沢さんの顔。 一瞬で離れた唇は言葉を言いかけたまま固まって。 そのまま きつくきつく抱き締められた。
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