第5章

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華をこんな風にしてしまったのは 紛れもなく、オレ。 普通とは違う道のりで 刷り込んできたモノは 低俗な刺激には満足しない。 「副島、来週飲み会あるけど?」 支部の先輩方がワザワザ彼女のいないオレに 用意してくれたという飲み会。 「分かりました、行きます」 「いーの、揃えといたから」 ニヤニヤと笑う先輩は、手をヒラヒラさせて歩いていく。 仕事はいたって順調だった。 大規模支部とはいっても、地方にあたるココは A庁や本庁レベルの送致内容は少なく 比較的に経験が積みやすかった。 仕事を終えてホームタウンに帰ってきた頃にはもう 日付が変わろうとしていた頃か。 不意にかけられた声に振り返る。 「咲良の、お兄さん、ですよね?」 ゾクゾクと背筋を撫でられた感覚と オレを扱きながら 孔に指を突っ込んだアオキサンの笑顔が 一瞬にして溢れた。
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