未来君の優しい嘘

29/133
975人が本棚に入れています
本棚に追加
/1571ページ
「そんなこと言ってさ、未来君だってちゃんとあの子の内面見れてるわけ?」 余裕そうに笑う香水女が苛立って苛立って仕方ない。 「安達っ言い過ぎだよ!ほらもう行くよ…っ!」 「クス。じゃーまたね未来君」 話は未解決のまま香水女は友達に引っ張られて行った。 ポス 「はぁーあ」 壁に寄りかかって額に手を当てる。なんか体力使っちゃったー。競技より疲れるって何事? 「なんで分かんねーんだろ。ばーか、ぶぁーか」 悲しいとか切ないとか、そんな気持ちよりムカツクって気持ちが大きい。 大きすぎて訳も分からず涙が出てこようとする。未来クンかっこ悪~い、泣くな泣くな。 苛立って流す涙なんて泣き損だ。バカみたいにカッコ悪いだけだ。 「分かれよ…っ」
/1571ページ

最初のコメントを投稿しよう!