五年後――

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ぱっと目が覚める。 大きくなったオレとアロイスのラブラブ姿を想像していたら、いつの間にか眠ってしまっていたようだ。 隣を見ると、一緒に寝ていたはずのアロイスがいなくなっていた。 心配になって探しにいく。 リビングに向かうと、ソファーに座ったルーンが、頭を抱えて溜め息をついていた。 「おまえの父ちゃん、悪い病気なのか?」 凄く悩んでいるように見えるルーンに聞く。 「ミツキ様……。いえ、父はただの風邪で、なんの心配もありませんよ」 「なんで分かるんだよ」 「私は、見えるんです」 ルーンの言ったことに、心臓がバクバクしだす。 見えるって、まさか…… 「ゆ、幽霊が見えるのか?」 大嫌いなルーンだけど、怖さに耐えきれずに腕を掴んでしまう。 「違いますよ。私は、体の悪い部分や、その方が強く願っていること、例えば、その方が想っている相手などが分かるんです」 「それ、超能力ってやつか?」 「そうですね。でも、見たくないものも見えてしまうので、それほどよい力ではないですよ」 凄い力を持つルーンをちょっと尊敬しながら見ると、苦笑いして目を伏せた。 「あのさ、アロイスの好きな相手も分かるのか?」 ドキドキしながら聞いてみる。 「残念ながら、アロイス様の心だけは見えないんです」 アロイスは本当はオレと結婚したいと思っている、とルーンが言うのを待っていたのに、そんな答えでずっこけてしまう。 「なんだよ、使えないやつ」 「申し訳ありません」 深々と頭を下げて謝ってくるルーンにぷいっと背中を向けて、アロイスを探しにいく。 アロイスはどこにもいなくて、仕方なくベッドに戻る。 すると、そこにアロイスはいた。 「アロイス、どこに行ってたんだよ」 アロイスの胸をポカポカ叩いて怒る。 「腹の具合が悪くて、トイレにこもっていたんだ。寂しい思いをさせてごめんな」 「腹は治ったのか?」 「あぁ」 「じゃあ、許してやる」 アロイスが辛い思いをするのが、一番嫌だ。 だから、アロイスの腹を撫でてやりながら、また一緒に横になる。 「明日もルーンはいるのか?」 「いや、今夜だけだ」 「じゃあ、明日からはふたりだけの新婚生活だな」 アロイスの胸にほっぺたを擦り付けて、喜びを表す。 また、アロイスは子供扱いして頭を撫でてきたけど、明日からのことが楽しみなので許してやる。 早く大きくなって、アロイスと結婚するぞ! 《終》
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