第一夜:克人と秀介

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切断された太ももの切り口は、ノコギリで切ったように不揃いに爛れている。 足首には、人間の歯型のようなものがくっきりと残っていた。 ソレを見た瞬間、俺は秀介が蛇に噛まれたと言いながら、ボロボロの市松人形を蹴り飛ばしたシーンを思い出した。 「うっ……げほっ……」 酸っぱいものが再び込み上げてくる中、俺は這うように足を進める。 すると、今度は丸い塊がポツンと転がっている事に気づく。 ゆっくりライトを当てると、目を見開いた秀介の生首だった。 苦痛に表情を歪めた状態で、秀介の時間は止まっていた。 俺は声を上げることも出来ず、涙を流してその場に蹲る。 現実を受け止めきれない。 秀介に何が起こったのか考えても解らない。 ただ、この村には俺と秀介以外の何かが居る。
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