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神奈川時代の話だ。
高校を卒業する時、操は迷わず俺と同じ会社に入社する事を選んでくれた。
俺は旋盤工として、操は事務員として。
当時は高度経済成長の真っ只中で完全な売り手市場。
働き手はいくらでも欲しい、という時代だった。
もっとも、その後のオイルショックでその会社も倒産に追い込まれるのだが……
牧野茂明と嫁の明美、俺と操は同期入社だった。
数え切れない同期の中で、俺と茂は同じ班に配属された。
不思議と気の合った俺達はすぐ一緒に遊ぶようになる。
そして操と明美も同じ製造部の事務所に勤務してたんだ。
操の紹介で茂と明美を引き合わせ、それが縁で二人はあっという間に結婚。
それから数年遅れて俺と操が結婚したんだ。
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