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それを受け取りながら、俺はドキドキしていた。
風呂あがりの薫さんはみずみずしく、それでいてどこか色っぽい。
頬は上気してほんのりと染まり、髪の毛はまだ水を滴らせていた。
そのうちの一滴がぽたりと落ち、薫さんの首筋を伝って服の中へ。
「ん?」
見とれて動けない俺に、薫さんが綺麗に口角を上げて美しく微笑んだ。
「…行ってきます」
強烈な魅力を感じて、急いで俺はその場を離れた。
****
平常心、平常心。
手早くシャワーを終えると、そう言い聞かせて薫さんの元へと向かった。
俺が出てきた時、薫さんはキッチンでお茶を入れていた。
その後ろ姿にドキリとする。
華奢な肩、細い腰、小さなお尻、そこから伸びるしなやかな脚。
なんて後ろ姿なんだろう。
とても自分と同性のものとは思えない。
あ。
それより…
「薫さん」
「あ、おかえり」
「髪、まだびしょびしょじゃないですか」
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