ライオンとハイエナ

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「沙羅に振られた」 沙羅の彼氏の高遠君が言った。 いや、元彼氏と言った方が良いのか。 「……なんで?この前沙羅から一泊旅行に行ったって話聞いたところなんだけど」 「……分かんねー。なんでかなんて俺が聞きてえよ」 沙羅が突然彼氏に別れを切り出すのはいつものことだ。 単に飽きたとか、思ったより利用価値がなかったとか、理由は大したことじゃない。 「……はぁ、なんか、虚しいわ……」 沙羅の元彼氏が私に愚痴を言いに来るのは、沙羅との仲をもう一度取り持って欲しいからなのか。 それとも、違う何かが目的なのか。 高遠君が初めてって訳じゃない。 「……高遠君、慰めて欲しいの?」 「……木原さん、慰めてくれんの?」 高遠君の家に連れて行かれ、彼の部屋のベッドに押し倒される。 ブラウスの上から胸を強く揉まれる。 「木原さん、着痩せするけど胸大きいよね。顔は幼いくせに。沙羅のそばにいなけりゃ、もっとモテるはずなのに」 そんな言葉を吐きながら、ブラウスのボタンに手を掛ける。 「木原さんさ。沙羅に振られた男と、いつもこうやって寝てんだろ。自分がハイエナって呼ばれてんだって知ってる?沙羅の捨てた男を拾い食いする、ハイエナ。まあ、紗羅に食い散らかされて、喜んで食われてる俺の言うセリフじゃないけど」 そう言って笑いながら、高遠君は私に触れた。
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