76人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「沙羅に振られた」
沙羅の彼氏の高遠君が言った。
いや、元彼氏と言った方が良いのか。
「……なんで?この前沙羅から一泊旅行に行ったって話聞いたところなんだけど」
「……分かんねー。なんでかなんて俺が聞きてえよ」
沙羅が突然彼氏に別れを切り出すのはいつものことだ。
単に飽きたとか、思ったより利用価値がなかったとか、理由は大したことじゃない。
「……はぁ、なんか、虚しいわ……」
沙羅の元彼氏が私に愚痴を言いに来るのは、沙羅との仲をもう一度取り持って欲しいからなのか。
それとも、違う何かが目的なのか。
高遠君が初めてって訳じゃない。
「……高遠君、慰めて欲しいの?」
「……木原さん、慰めてくれんの?」
高遠君の家に連れて行かれ、彼の部屋のベッドに押し倒される。
ブラウスの上から胸を強く揉まれる。
「木原さん、着痩せするけど胸大きいよね。顔は幼いくせに。沙羅のそばにいなけりゃ、もっとモテるはずなのに」
そんな言葉を吐きながら、ブラウスのボタンに手を掛ける。
「木原さんさ。沙羅に振られた男と、いつもこうやって寝てんだろ。自分がハイエナって呼ばれてんだって知ってる?沙羅の捨てた男を拾い食いする、ハイエナ。まあ、紗羅に食い散らかされて、喜んで食われてる俺の言うセリフじゃないけど」
そう言って笑いながら、高遠君は私に触れた。
最初のコメントを投稿しよう!