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 僕は今、固まっている。  深夜の仕事で。  マーブルのオフィス階で。  胸でさめざめと泣く結城修子を見下ろしながら。  どうしてこうなったと考えても、たまたま僕が通りかかったからとしか言えない。  月末の清掃点検は、深夜に行う。  月初一日目に気持ち良く仕事をしてもらうためだ。  僕は一人で各階を回り、三階のオフィスを最後にしていた。  明かりが見えていたので。  誰かいるのか、消し忘れか、とにかく面倒そうなので後回しにしたのだった。  そうしたら案の定結城さんがいて、デスクに突っ伏していた。  だだっ広いフロアに女の人が一人きりというのは、正直怖い。  一瞬お化けが出たのかと思ったくらいだ。  話しかける気にもならず、横目で見て通り過ぎようとしたら思いがけず声を掛けられ立ち止まる。  面倒な人に絡まれたぞ。  この人は文句しか言わない。  しかも言いがかりに近いのがしょっちゅうだった。
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