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柿花(かきはな)財閥といえばセレブしかいかないような学校の中でも、最上位にランクイン出来るような、セレブ中のセレブ。
僕はそこの一人息子で、常に全生徒の羨望のまなざしを受けつつ、今度はその高校からエスカレーター式に大学へ入学。
近い将来、人の上に立つべく勉学に励まなければいけない毎日を憂いつつも、花のセレブ大学生を謳歌する。
はずだった。
「というわけで柿花家は自己破産という事になったのだよ、達樹(たつき)」
「……はい?」
「貴方だってもう大学生なんだもの、一人でやっていけるでしょ? とは言ってももうその大学も中退なのだけれど」
「……はい?」
「大丈夫、私達は草葉の影からお前の新たな門出を見守っているよ」
「……はいぃ?」
そして僕はセレブ中のセレブから、一般庶民へとめでたく仲間入りを果たした。
「……つき様……達樹様」
「んー? ……それじゃあ、明後日のクルージングは?」
「そんなものは中止に決まっているじゃないですか、寝惚けていないで早く起きてください、達樹様」
「!」
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