第1章

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部屋から出ると、陽光の眩しさが目に突き刺さる。 真っ暗な所から明るい所へ出れば当然そうなる、いつもの事だ。 廊下を歩いて部屋へ戻ろうとすると、ガラス扉の開閉音が聞こえた。 あれ?鍵掛けんの忘れたか? ……いや、ちゃんと掛けたよな 昨夜の記憶は残ってる て事は、かあさ…… 「こんにちはー!宗ちゃんいるー?」 ・・・。 母さんじゃない、この声は 部屋へと歩いていた廊下で踵を返し、声の方へ大股で歩く。 待合室に顔を出すと思った通りの人物がそこにいた。 「おっ!いたいた。今日からお世話になりまーす!」 ……は? 「何それ、何も聞いてない」 この男、“國立 京” <クニタチ キョウ>は、俺の2歳上の従兄弟だ。 「だって今言ったから。部屋余ってるでしょ?今日からここに住むからよろしくー!」 そして俺、“國立 宗蘭” <クニタチ ソウラン>は、今はもう閉鎖している診療所に1人で暮らしている。 そこに突然、京にいが転がり込んで来たのだ。
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