第5章

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「でも、もう会うことはないと思います」 「あら、残念」 ついでなので、名刺のことも話してしまう。 「なんだ、その程度のことで。本当に栞って奥ゆかしいというか、押しが足りないというか。会いたいなら気にせずに連絡すればいいじゃない」 「相手のご迷惑にならないでしょうか」 「迷惑だって言われたら、ごめんなさい、テヘッて舌出しとけばいいのよ」 実際に理恵子がやって見せた「テヘッ」はお世辞にも可愛らしい表情とは言えなかった。
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