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その3
結婚式を挙げられなかった祖父母のために奮闘する孫たち。
ある日、結構な大所帯で来館されたお客様。
何でも、祖父母が結婚した当時、戦時中できちんと結婚式を挙げられなかったという。
一応、結婚式を挙げたのだが、戦時中なのでかなーーり質素にやったという。
その結婚式というのが、両家が挨拶し、兄弟たちから三三九度もらって、はい終了。
いくら戦時中でも質素すぎるやろ!!!
その話だけでも泣けてきた。
祖父母の結婚式の話しを聞いた孫たちは、祖父母のためにもう一度結婚式を挙げようと思いつき、やって来たという。
めっちゃええ話や…。
孫たちの話に感動した上田さん(時々出てくるブライダルプランナー)は張り切る。
こんなに張り切ったの、同級生に仕返しした以来やわ、と上田さんは遠い目をして語ってくれた。
準備するときも、なかなかドタバタしていた。
まず、衣装は和装にするか洋装にするかで、かなり揉めた。
「ばあちゃんとじいちゃんは白無垢と紋付袴やろ!」「いいや!モーニングとウエディングドレスにしよう!!着物はいつでも着れるけど、こういうのは一緒に一度や!冥土の土産!」「縁起悪いこと言うな!!」と、孫たちは盛大に喧嘩する。
散々揉めた結果、和装に決定。
結婚式の日取りは2人の結婚記念日にしようということは前々から決めていたのだが、その日はなんと仏滅…。
どうすんだ!?とまた揉めるが、結局は結婚記念日で決定。
次、スライドショーやるかやらんかで揉める、招待客は親族だけにするか、近しい友人は呼ぶべきか、ケーキカットどうするよ?料理は和洋折衷?和食オンリー?洋食オンリー?etc……
普段の倍近い時間と労力を使い、何とか当日に間に合わせた。
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