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鎧は剥がされ、武器は没収され、布皮一枚で鎖に繋がれカイザーは牢の一室で寝転んでいた
あれから、何日経ったのだろう…。窓の一つもない牢屋に閉じ込められて、日付すら分からずにカイザーは何回目、何十回目かの目覚めを迎えた
起き上ると鎖が擦れて静かな牢獄の壁に反響して響き渡る
既に身体は痩せ干せており、まともな食事すら取れていないことが見て分かる
と、突然牢獄の扉が勢いよく開き大きな音を立てる
「カイザーよ、起きているか?」
聞きたくもない声が反響し、カイザーの耳に嫌でも届く
その男
帝国の王、皇帝、名をシュナイデル
騎士の護衛をつけて牢獄へと入ってきたシュナイデルはカイザーが睨みつけているのを確認すると不気味な笑いを浮かべる。その笑みの意味こそ分からないがカイザーは直感で嫌な予感を感じ取る
「お前の国だがな、昨日焼き払ったぞ」
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