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「綺麗になったよ」
「っは、はあっ、はあ、」
指が引き抜かれ、前に手を触れたままの須藤さんは優しくそう言うと俺の顔を覗き込んで来る。
その目にはどうみたって妖しい熱がこもっていて、やっぱり最初からそのつもりだったんじゃないかと心の中で悪態付いた。
心の中なのは、もう言葉にするほどの余裕がないから。
ここまでされて、平常心でいろって言う方がおかしい。
さっき何度イったって、この状態になってしまったらイきたくて堪らないのは当たり前だ。
なのに須藤さんは、指を抜いて手を前に添えているだけ。
どういうつもりだよ、あんた。
「じゃあ、泡で洗って出るか?」
にこりと微笑みながら言うあんただって、めちゃくちゃソコが主張しちゃってるじゃんか。
なのに、何もしないで終わるとか。
「っ……マジ、意地悪ぃっ……最悪!」
「クスクス……何に怒ってるの、早川?」
そうやって余裕な顔して人を翻弄してさ。
腹が立つ。
でも。
それでもすごく好きなんだからもう、仕方ない。
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