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このオトコは本当に厳酷(ゲンコク)すぎる。
あたしは無惨なモンだ
どれくらい?
どれくらいの時間が経った?
「華はスゴいな……」
この重低音に
聴覚だけを散々侵され続けて。
マスター三神の言う、凄いの意味が分からない。
「華、自分で解いて、見て」
身体は熱いのに
末端が冷たくて
奮えているのか、鈍麻しているのか
分からない指の関節が
ギコチナク視界を隠した布を解いてゆく。
始めは
何時もと同じ、ボヤけてうまく、見えない。
暗闇な事もあって
暗順応にも少しかかる。
留まっていた栓が解放を求めて伸ばされる
ビクリ、と百も波打つ刺激。
無数の刺激の矢が瞬時にソコから
天辺へ向かって放たれ
あたしは、それに続くかのように
叫びをあげた。
そんな事には全く触れずに
「ああ、ずっと曲げたまんまだったから
気持ち悪いな」
そう言って、一呼吸置いた後
指を一気に引き抜いた。
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