34

2/14
1388人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
空が白み始めた頃 身体に巻き付く腕があたしを眠りから 引き摺り出そうと動き出す。 「……ミカ、食べさせて……」 耳元で囁かれるのは 夢か現か…… 瞼が少し開いて、朧気な頭で考えたのは 纏っていたはずの、ローブの感触がなく ピタリと張り付いているのは、熱いくらいの身体。 膨らんだ所を弄び 意識の覚醒と共に起立する頂きを指で弾き 首の後ろに濡れた筋肉が這う。 起き抜けの鈍い感覚は ジワリ、ジワリと皮膚表面を侵食する。 「ミカ」 掠れた重低音は また、あたしの心臓を押し上げた。 一体、いつまで続くんだろう 未だに終わらない演舞に、身体は痺れ 喉が、張り付く。 ‘シテ’って言えばイイコトなんだろうか。 今までのあたしなら、間違いなく自分から貪っていたはず。 だけど、ソレがもう、デキナイ。 「……、っや」 長い、長い、指が 深く、暗い部分に埋まる。 粘膜を 擦りながら確実に狙いを定めて進み 埋まった先で、また、舞い始めた。 もう、こんな事になってるなら おんなじた。 イレルとかイレナイとか 関係なく、同じ。 卑猥な音を響かせ 荒くて熱い息を聞き 身体の熱をこんなにも上げて やってる事はおんなじだ。 「んんッ……」 「華」 突如、抜かれた長い指。 中指と薬指を広げて出来た透明な水かき。 「楽しみはとっとこうか」 重低音が、耳から突き抜けた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!