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そう言えば
会社の健康診断で
胃の再検査を勧められていた。
たんなる気苦労から来ている痛みで
悪くても軽い胃潰瘍だろうと
たかをくくっていたが
病院に行ってみると
末期癌であった。
重い足取りで帰宅すると
今日の妻が祐介に言った。
「顔色が悪いわね」
「さっき医者から末期癌で余命三ヶ月だって宣言された」
「わぁー大変じゃない」
「ああ、でも1日かぎりの今日の妻である君には関係ない」
「でも、心配だわ」
「どんなに心配してくれて俺を気遣ってくれても・・・」
「なに?」
「明日の午後になれば君はいない」
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