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ガシャン!
夜の高架橋下のフェンスに、サラリーマンの男性が胸倉を捕まれ押しつけられていた。
「出せ!」
胸倉をつかんでいる若い男がサラリーマンに叫んだ。
若い男たちが3人がかりでサラリーマン男性を襲っている・・・
「仁!本人が出せる代物じゃないだろ?」
細身の髪の長い男が言った。
仁と呼ばれていた男は、髪は短いが耳には数え切れないほどのピアス、
鼻にもピアスをしていてがっちりとした体形の男だ
「そうだな・・・」
そう言うと仁はなにやらぶつぶつと右の拳に向かって唱え始めた、すると
こぶしが淡い光に包まれていく
“ドス!”
その拳がサラリーマンの腹に当てられた。
「ぐえ!ごふっ!おえ っっ~!」
すると、サラリーマンの口から何かが出てきた。
「キー」
小さな人間にも見えるそのものの姿は異様だった、
体長は一五㎝ほど、灰色で骨と皮の体に表面は粘ついている、
また目は大きく口は横に裂けて、耳は猫の耳のように立っていた。
それは、よたよたと動き出した。
“ぐちゃ!”
もう一人の眼鏡をかけた長身の男が淡く光る足でそれを踏み潰した・・・
“にちゃ~”
眼鏡の男はゆっくりと足をあげた・・・
淡く光るその場所には小さなそれは跡形もなく居なくなっていた。
「靴汚れたな・・・」
足もとを見つめて細身の髪の長い男が言った。
「はぁ~しかし最近増えてきたな~」
「終焉の時が近づいてきているのかも知れんな・・・」
仁と眼鏡の男が大きくため息をついて言った。
3人はそこの場所からゆっくりと離れていった。
彼らが去った後には、なぜか幸せそうにすやすやと寝息を立てて眠るサラリーマンがいた。
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