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週に何回か、仕事が終わって自宅への帰り道の商店街にある、そこそこデカい得意先の病院に促進販売品やパンフレットを届ける 何で届けるのかと言うと、俺が医薬品を売る営業マンだからだ それを済ませて、入った方向から反対に抜けようと商店街を進むと角に花屋がある 小さい店。飾ってある花のアレンジやその他のレイアウトが良いらしく、外から見える範囲だけでも物凄く雰囲気がある。フラワー何トカ、みてぇな名前が付いてそうだが、シンプルに「大和花店」の看板 いつも見ていた。夜通る時は絶対閉店の時間で戸も閉まってるんだけど明かりは付いているから そしてその花屋を認識する時の時刻は、決まって午後九時前後に通る時だと程なく気付く。その時間に通る度、俺は自分でも知らず知らずの内にチェックしていたらしい コーヒーの香りがする その時間帯が、どうやら午後九時辺りなのだ ご存じだろうか。夏は溶ける程暑く、冬は恐ろしい程に寒い営業と言う仕事を。知っている人がいるなら、分かって貰えると思う 最近は夜が寒い。こんな時こそ
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