キスフレ2nd kiss Vol.15

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「これでラスト」 リーダーはそういって私に、ファイルを手渡した。 「...はい」 最後のファイルを終えて、 東雲リーダーと一緒に定時にオフィスを出る。 静かなオフィスの中で暖房だけが無駄に効いている。 主電源を落とすと、すべての音が止んだ。 本日、大みそか。 今年があと数時間後には終わってしまう。 思えば去年の私は、レーナたちと年越ししていたな。 小栗と付き合うなんて 考えてもいなかった1年前の私を思い出した。 ハンガー掛けの前で、 コートを着る私の隣にリーダーがやってきた。 「お前は病み上がりだから、 待機は俺一人で引き受けるから、明日は来なくていいぞ。 元旦ぐらいはゆっくりしろよ」 そういったが、私は、首を振る。
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