1087人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「これでラスト」
リーダーはそういって私に、ファイルを手渡した。
「...はい」
最後のファイルを終えて、
東雲リーダーと一緒に定時にオフィスを出る。
静かなオフィスの中で暖房だけが無駄に効いている。
主電源を落とすと、すべての音が止んだ。
本日、大みそか。
今年があと数時間後には終わってしまう。
思えば去年の私は、レーナたちと年越ししていたな。
小栗と付き合うなんて
考えてもいなかった1年前の私を思い出した。
ハンガー掛けの前で、
コートを着る私の隣にリーダーがやってきた。
「お前は病み上がりだから、
待機は俺一人で引き受けるから、明日は来なくていいぞ。
元旦ぐらいはゆっくりしろよ」
そういったが、私は、首を振る。
最初のコメントを投稿しよう!