もう5回目の捜査会議

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長い沈黙を破ったのは真帆だった。 「ねえ、うっちゃん。夏美さんの死因とか凶器とか分かってる事詳しく教えてもらえないかな?」 「あぁそう言えば詳しく話してなかったね。 死因は頸部圧迫による窒息死。凶器は夏美さんの家にあった延長コードとみられてるが指紋は検出されず。家には夏美さん以外に誰かが居た形跡...例えばコップやスリッパみたいな物が夏美さんの物以外無かったから、訪問してすぐに犯行に及んだとみられてる。」 「脇田の指紋とか毛髪とか現場から出てないの?」 「智也君良い質問だね。どちらも検出されてるけど、脇田はひと月前まで交際していた相手だから検出されて当たり前となるんだ」 「そっかぁー最近の物だって証明出来ないと意味ないのかー」 智也は大きなため息と共に項垂れていた。 「翔太郎君にはアリバイもあったけど、さっき俺がした説明でも翔太郎君が犯人だと違和感があるんだけどわかる?」 「凶器に指紋を残さなかったり、夏美さん以外の人物の痕跡を残さないくらい計画性が見えるのに翔太郎の指紋がベタベタ着いてるジッポが現場にあったのは違和感がある。」 「さすが、真帆ちゃん!」 宇都宮は両手を真帆に向けて伸ばし手を叩いて賞賛した。 「でもその計画性に今やられてるよね...」 智也の一言で場の空気がまた重くなった。
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