第5章.九条君と夏、2

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「で、なんだよ。まだ朝の6時だぞ」 『まぁさ、留守電でも残したんだけど、10時にスポーツ公園に来てほしいの!あ、水着持ってね!』 「水着?何でだ」 『プールだよプール!ちなみに貸し切り!!ちゃんと来るんだよー?じゃ、また後で!』 ブチッ…ツー…ツー…ツー… うるさい声は一方的に消えていき、無機質な音が規則的に聞こえ始めた。 目一杯の憎悪を込めて携帯をベットに放り投げ、薄手のTシャツに腕を通す。 爽やか系の白いシャツと、細身の黒いズボン。 髪をざっと直して部屋を出て、1階へ降りる。 「今日もお早いですね優様。おはようございます」 皿を数枚抱えているメイドに声をかけられる。 重くてヨロついているくせに挨拶をしてくる。 「おはよう。父上は?」 皿を半分ちょっともらって父上の居所をきく。
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