第1章

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「仲が良いんだね、羽山くんと」 羽山と淳とご飯に来ていて そこに課長と修ちゃんが合流したのは1時間前。 羽山が帰る課長を見送りに行き、淳がトイレに立ち二人きりになった所で 頬杖をついた修ちゃんは言った。 「……まぁ、一緒に仕事してるし」 「それだけかな?」 「……」 「ちぃは昔から人に頼るのが苦手だったよね。 なんでも自分で頑張ってしまう」 目を細めて見下ろすような表情をする。 修ちゃんの知ってる私は9歳までなのに、まるで今の私の事を言われてるみたいだ。 「ちぃは誰にでも甘えたりしないから、あまり頼りすぎると彼の負担になっちゃわない?」 「……」 「彼は後輩だし、先輩の言うことは断れないよね」 「……」 ゆっくりした動作でグラスを口に運んだ修ちゃんが、ことりと音を立ててグラスを置いた。 「俺にも、頼ってよ」 す、とテーブルの上に差し出された小さな紙。 「プライベートの番号だから」 私はどんな顔をしていたかな。 修ちゃんに言われた言葉が 胸の奥を重くさせた。
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