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「私の魔武器はこの眼球さんだ」
先生の前に立ち、姫抱きしてる眼球さんに視線を落とす。
「きゃっ、ますたーと視線が合っちゃいました! 私嬉しくて血肉と臓物を撒き散らしながら爆散しちゃいそうです!」
おいやめろ、せめて私から半径1km以上離れてからやれ。
そしてそんな物騒な事を言うんじゃない。
私のSAN値が直送とまではいかなくともガリガリ削れてしまうだろうがこの野郎。
「あー……もう、どうでもいいから拾ってきた場所に返してきなさい」
あからさまに面倒臭そうな表情をしながら元の場所に戻すように言われた。
非常に残念ながら眼球さんの作成はメイドイン私である。
だから元の場所に返したくても返せないんだが私は一体どうすればいい。
「非常に残念なお知らせだが、コレは拾ったわけでも攫ったわけでもなく正真正銘私の魔武器である眼球さんだ。 眼球さん、形態変化」
「えー? またですかぁー? もう、しょうがないなぁますたーはー」
唇を尖らせて文句を言いつつもそう言うとメキメキとかミシミシとか音を立ててグロテスクに武器に変身を遂げる眼球さん。
何故か私の腕を巻き込むように武器化してくれたおかげで私は今現在鳥肌が止まらないんだが、どうしてくれようか。
「…………よし、分かった。 俺はもう何も言わん」
何が分かったのかはよく分からないが取り敢えず魔武器の確認は済んだようだ。
だからとっとと離れろ眼球さん。
私の腕に触手を巻きつけてウネウネするんじゃない。
気持ち悪いだろうが。
私の肘から先を包むように武器化しやがった眼球さんの触手(肉塊と言ってもいい気がする)をなんとか腕から引き剥がそうとしつつ私はとっとと列を外れた。
用が終わったならさっさと退くのは当たり前のマナーだろう。
そうしなければ邪魔になるじゃないか。
そして剥がれない眼球さんの触手。
やめろ動くな気色悪い。
「まるで呪われた装備を身につけてしまった気分だ……」
「私は呪われてなんてないですよ~? 寧ろますたーへの愛情に満ち溢れてますからー」
もうどうでもいいからさっさと剥がれて人型に戻ってくれ……私のSAN値をどれだけ削れば気が済むんだ……。
私がげんなりとした表情をしつつ視線でさっさと離れろと訴えると眼球さんはさらにウネウネと蠢いた。
うっわ気持ち悪っ!!
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