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顔をバッと上げる。
目の前が、くらっとなった。
「…さ、
佐野駿矢(しゅんや)…君?!」
ま、眩しいっ!
何が眩しいかと言うと、彼から放たれる爽やかなキラキラ笑顔。
その眩しさと頭に受けたズキズキで目が…まわる!
足元がふらり…。
思わず私は段差を踏み外してしまった。
「あ、危ない」
「うわッ…!」
その瞬間、佐野君の手が伸びてきたのがわかった。
" 佐野 駿矢 ″
彼は学校一、有名な人。
" サッカー部の貴公子 ″ とか
" 爽やかプリンス ″
なんて一部の女子に呼ばれているのを何度も耳にしていた。
" サッカー部期待のエース ″ は、超絶人気者でしかも成績優秀だという。
つまりとてもモテまくっている。
その佐野君が、足を踏み外し、昇降口の固いコンクリートの床へ倒れていく私を助けてくれた。
引き寄せ抱きかかえるようにして…
あっという間にがっちりした腕と爽やかな香りに私は包まれてしまった。
…あれ?
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