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気合い十分で取組をする力士のように気合いを入れて化粧をした月曜日の朝。
いつもとの違いが分からないけれども・・・念入りに化粧をした自覚があると他のことへの気合いだって入るような気がする。
暑さと戦いながら満員電車に揺られて、課長が立っているであろう名古屋駅の一つ手前の駅で降りた。
改札の向こう側に立っている課長を見つけて、いつもと同じなのに、キュンとしたのは今週が終わったらしばらく一人で通勤しないといけないことが分かってるから。
「おはようございます。」
「おう、おはよ。」
笑った顔を見て、またキュンとなったのは、私の覚悟の表れだ。
今週、精一杯過ごそうと。
いや、今までだって、全力をあげて手抜きで過ごしてきた日なんてない。
休日はそんな日もあったのかもしれないけれども、仕事の日だけはちゃんとしてたいと思って過ごしてきた。
社会人なら当たり前の心構えで。
でも、今週は気合いが違う。
課長としばらくお別れになる直前に、一生懸命過ごしていないそんな記憶が課長の中に残ってしまうのはイヤだから。
「珍しくねー?そういうスカート。」
・・・いや、そこはスルーして欲しかった部分だったりして。
「はははっ。変でしたか?」
「いいや、可愛いと思う。あんまり可愛い恰好するなよ。」
「はははっ、そんなに可愛い恰好はしてないですから。」
照れる。
珍しくスカートを履いてしまったのも、女子の戦闘服だからだ。
最後の記憶に残るのは、いつもよりも可愛くありたい乙女心。
「じゃぁ、めちゃくちゃ可愛いと思う恰好だけは、会社にしてくるなよ。心配になるから。」
・・・照れます。
そんな心配しなくていいのに、心配してくれるんだ、嬉しい。
ダニーズが大量発生中だ。
むずむず。
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