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「織田様…
わたしは仏門に入った身…
誰も恨みはしませぬ。
ただ、父が夢見た天下を取った男にこうやって会えたことは
久しぶりに胸の高鳴る思いです、織田様…」
「住職は、お濃の…帰蝶の異母兄弟か…
なにか、織田の援助が必要ならばなんでもいってほしい。
望むならば、そなたを武士として取り立てることも、
もっと大きな寺の住職に据えることもできるが…」
「織田様…
天下の権力は間違ったことにつかってはなりませぬ。
合理主義をとおして、天下をまとめたのでしょう。
わたしの能力もわからぬのに、
道三の息子というだけで、そのような義理だけで、
とりたてるなど、合理主義のかけらもございませぬ…
それに、わたしはこの菊寺での暮らしが気に入っております…」
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