中間テスト

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季節は6月。梅雨が近付いているせいか、ちょっと空気がジメジメしている。そして今日は中間テスト開始の日。この高校に転校してきてから、初めてのテストってことになるな。 とりあえずやるだけの事はやった……って形だけでも言っておくか。どうもね……集中力が無くて持続しないんだよな……。 「おはよ、みっちゃん」 「よぉ、おはよ。テスト出来そう?」 俺はサヤに今日の出来具合を尋ねてみる。 「んー、どうだろ。でも普通に授業受けてれば大体は解けると思うけど」 普通に受けてれば……か。俺の場合、授業は普通に受けているつもりだし、ノートだってちゃんと書き写している。ただ、頭には入っていないのだ。授業を受けてるけど最低限のことしかしていない……。 「勉強? 知るか知るかぁ!」 ケラケラ笑いながら泰史が相変わらずでかい声で七海さんに言ってる。ちなみにアイツはノートすら書き写して無いって言ってた。 「もぉ、せめてノートくらい書きなよ」 七海さんも呆れてら。
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