第5章「脇役はテンプレに巻き込まれやすい案件についての報告」

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ーーー ーーー ーーー ーーー ーシュヴァルツブルク王国主要街道ー 半年後。 あの後フランはなんやかんやでミュンヒハウゼン家令嬢が板について来た。 叔母夫婦も実の娘の様にフランを可愛がってるし、 まぁ結果オーライって事で。 「マスター。次の街はまだか? もう私が飛んだ方が速いのではないか?」 退屈しきったフランが、馬の上でそう嘆く。 「飛んだら目立つだろうが」 このドラゴンは何度言えば理解するんだろうかね? 「だが、シャノンの護衛も必要ないぞ?」 「そうねぇ。シャノン一応王女だものねぇ」 一応じゃ無くて本物の王女殿下だ。 この甘ったるい声の女性は、 ハイデマリー・ヴァルトルーデ・クレスツェンツ・ウルリーケ・ツー・リーデルシュタイン。 まぁその、シャノン同様の幼なじみだ。 魔国でも指折りの豪商、リーデルシュタイン侯爵家令嬢。 自称痴女。 まぁ魔国でも珍しい淫魔の家系だから間違いでは無いけど、私をターゲットにして変態な事しようとするのやめて欲しい。いやマジで。 因みにリーデルシュタイン家は元々商人だった先祖が魔国の建国に携わったらしく、商売を続けつつ宮中伯としての爵位を持っていると言う少し変わった家系だ。 そこらへんの金で爵位を買った豪商とは訳が違う、正真正銘本物の貴族だ。 淫魔と言う種族は商売にも役立つらしく、リーデルシュタイン家の人間は魔国一の人たらしと言う言葉がある程。
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