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ある日本人女性が中国の奥地を旅行していた。
ある山に登ろうと山道を歩いていると
「達磨」
という看板を出している店を見付けた。
店内は薄暗く、数人の中国人が奥の方にある大きな人形を見ているようだった。
彼女も奥へ入り、中国人の間から人形を覗き込むと、思わず固まってしまった。
人形達には手足がなかった。
しかし、目や口は動いている。
そう、人形だと思っていたのは手足を切断された人間、つまり
「達磨(ダルマ)」
だったのだ!
彼女はその異常すぎる光景に叫ぶのを必死でこらえ、ただ震えていた。
ようやく落ち着きを取り戻して彼女が急いで店を出ようとした時、達者の1人が口を開いた。
「おまえ日本人だろ!?頼む、助けてくれ!助けてくれよ!」
達者は日本語で住所と名を名乗り、必死に助けを乞うた。
しかし、店内の不気味な雰囲気に臆した彼女は、そのまま逃げるように店を出て帰国。
後日、旅行者が「達磨」の名乗った名前について調べてみると、確かにその人物は、中国へ1人旅をしたまま行方不明となっていた。
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