八章

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足元までの全ての邪魔な遮蔽を取り払う。 諦めたみたいに、彼女の身体から力が抜けてゆく。 僕はそのまま椅子に座りもう一度彼女を見つめる。 「薫さん…僕の方に身体向けてくれるかな」 ゆっくりと彼女の身体が横を向く。軽く溜息を吐いて… 「なんだか狡いわ。私ばっかり…」 「そんな事言ったってさ…この間は僕もそんな気分だった」 「男と女は違うわよ…」 「そんな事ないってば。僕はものすごく恥ずかしかったもん」 「でも、なんか嫌…そうね隆くんも脱いで。そうしたら書いて良いわ」 くすくすと笑いながら、足元に丸まった邪魔なパイル地を身体に巻き付けた。 「あー駄目だよ。そんなの…」 「良いから、早く」
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