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奏の真っ赤になった頬に触れる。
言葉は、止められない。
溢れ出す。
「僕を愛してくれてありがとう
一生をかけて奏をかまい続けるし
桜もこうやって死ぬまでづずっと一緒に見よう。
……愛しているよ」
そう言ってほほえむと奏は恥ずかしそうに僕を睨んだ。
「くさいですよ。森さん。人がいるところで良く言えますね」
「奏だっていってたじゃん
僕は人の目なんか気にするよりも奏しか見てないから。何度だって言えるんだよ?」
「好きだ……っ」
また言おうとした唇を奏の唇で塞がれて言葉に出せなかった。
甘く柔らかい奏の唇。
軽く啄むと奏も応えてくれた。
風が強く吹いて桜の花弁が僕らの間に散っていく。
唇を離して悪戯そうに笑う君が好き。
春の知らせは、僕に幸せを運んでくれた。
一年に一回の記念日に花見に行けて幸せ。
奏と一緒に居れて幸せ。
性別なんて乗り越えちゃうほど愛しているから。
そうして僕は、愛しい恋人の手を握りしめて
今日も幸せを噛みしめてる。
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