第1章

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奏の真っ赤になった頬に触れる。 言葉は、止められない。 溢れ出す。 「僕を愛してくれてありがとう 一生をかけて奏をかまい続けるし 桜もこうやって死ぬまでづずっと一緒に見よう。 ……愛しているよ」 そう言ってほほえむと奏は恥ずかしそうに僕を睨んだ。 「くさいですよ。森さん。人がいるところで良く言えますね」 「奏だっていってたじゃん 僕は人の目なんか気にするよりも奏しか見てないから。何度だって言えるんだよ?」 「好きだ……っ」 また言おうとした唇を奏の唇で塞がれて言葉に出せなかった。 甘く柔らかい奏の唇。 軽く啄むと奏も応えてくれた。 風が強く吹いて桜の花弁が僕らの間に散っていく。 唇を離して悪戯そうに笑う君が好き。 春の知らせは、僕に幸せを運んでくれた。 一年に一回の記念日に花見に行けて幸せ。 奏と一緒に居れて幸せ。 性別なんて乗り越えちゃうほど愛しているから。 そうして僕は、愛しい恋人の手を握りしめて 今日も幸せを噛みしめてる。
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