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「吉乃さん!?」
聞きなれぬ私の呼び名に 驚くお夏……
「お夏…
吉乃という名は 岐阜城でのわたしのかりそめの名
小倉家の正室が 織田にいると隠すための名であった
六角が滅びた今 もう わたしのことを隠すことも必要ないのだが…」
お夏は不思議そうにわたしを見つめた
千代さんが 屋敷にあがってきた
「赤子を見にきましたよ、吉乃さん」
と千代さんが両手に赤子の玩具などを祝いに持ってきてくれた
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