お菓子の国のジャック

ジャックとお菓子の国

「ジャック……ジャック……知ってる？ジャック・オ・ランタンってね、ハロウィンの代表格のキャラクターだけど、悪魔さえも欺いた極悪人なのよ？悪魔を罠にはめてね、自分では下りられないほどの高い木に登らせたの。そしてね、木に十字の印を付けて、下ろしてくれと頼む悪魔に「自分が死んでも地獄に堕ちない約束をしろ」って取引を持ち出して、まんまと契約したの。で、死んだ彼は天国に向かったのだけど、生前にあまりに罪を犯し続けたから天国逝きの門は開かなかったの。地獄も契約があるから地獄にも逝けない。結局、悪魔を欺いたはずが自分を縛り付ける呪いになっちゃったのね。うふふふふ。お馬鹿さんよねぇ？罪を犯し続けた挙句悪魔と契約するような極悪人が、天国なんかに逝けると本気で思ったのかしらぁ？転生することも出来ずに現世に縛り付けられて彷徨い続けるなんて、なんて哀れなのかしらねぇ？でも大丈夫。貴方は私が受け入れてあげる。生きながら彷徨うのは疲れたでしょう？ここに貴方を傷つける者なんていないわ。だから…ね？」