最終章 舞 蝶
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そっと縁側に立ち、庭を眺める。 紫陽花が美しく咲き誇っていた。 そんな中、 「安土様!」 と境内に大きな声が響いた。 驚いて顔を上げると、心配に顔色を失くし、汗にまみれた信雄の姿が目に入った。 そう、吉乃が産んだ、殿の子だ。 「――信雄殿」
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