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お椀を二個つなげたような赤色のコマをハンドスティックの間についた紐の上に乗せてまわしたり、上に投げて受け取ったりして巧みに操っている。
「ディアボロだよ、彼、うまいな」
「え? 先輩、詳しいんですね」
「子供の頃…っていうか、小中学生の時は憧れてたんだ、大道芸人。 なんかさ、彼らって夢や元気を与えてくれるだろ? あ、俺、祭りの夜店とかも好きでさ。ダーツにはまったのもその頃で…」
先輩の瞳が輝いて見える。
好きなことや昔のことを話してくれるなんて。
そんな何でもないことが嬉しい。
「家にマイダーツ持ってるよ。今は、あまりしなくなったけど」
それであんなにダーツが上手だったんだ。
どうやらバレーボールとは関係なかったみたい。
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